メールマガジンvol.36

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その少年は顔に傷があった。
いつも少年は自分の傷を気にしていた。

周りの人は物珍しそうに少年と傷を観る。
驚いたようであり、憐れんでいるような眼で観る。
少年が目線に気づき睨み返すと、
あわてて目線をそらし何事もなかったようにふるまう。
そのたびに少年の心は傷つき、なぜ自分だけが...と
何万回も繰り返してきた問いかけを己にする。

もう限界だ...!

少年はこの世界を壊滅させようと決心した。
何もかもすべて壊れてなくなればいい!自分さえも!

少年は無意識のうちに街中に走りだした。
今まで自分の顔を見下したような眼で見ていた
すべてのやつらをすべて壊してやる!
人で溢れかえる交差点で立ち止まり、少年はみんなの顔を見た。

な・な・なぜだ!みんな同じ顔に見える!
確かに顔は違うはずなのに、すべて同じ顔に見える!?
何の特徴も意思も感じられない...不気味だ。
ただ社会という枠の中で生かされているモルモット、
いやロボットっと言ったほうがしっくりくる。
生きて、いや活きているのだろうか?
生かされているだけではないのか?

そのとき少年は気づいた。自分がおかしいのではなく
みんながおかしいのだと。

自分は顔に傷があったことで、自分自身を強烈に意識できた。
だからこそ、今まで自分を見失わずに済んだのだと。

パラダイムシフト、価値観の変容が激しい転換の時代。
当たり前と思っていることに、
あえて問いかけをしてみてはいかがだろうか?
自分のダメなところやいやなことを
受け入れてみてはいかがだろうか?

両極である陰と陽を受け入れ調和を保とうとするとき、
創造性が発揮され成長・発展・進化する。

とは言いつつも、自分のダメなところは
見たくない(認め得たくない)ものである。
矛盾の中で生きることが当たり前と思うと少し楽に生きれるかも?

                     (次号に続く)

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