ビジネスカウンセリング協会Q&A
Q. メンタルヘルス対策は何からはじめればいいの?
A. メンタルヘルス対策を実施するには、「心の健康づくり計画」を策定しなければなりません。ただし、計画を立てる前に現状分析が必要です。現在、社内で何人くらいの人がストレスを抱えているのか、それはどの職種・部署に多いのか、何人が休職しているのか、ここ数年の離職率はどうか、病院に通っている人は何人いるのか、遅刻や欠勤は増えているか、などを調査します。そして、この状態を1年でどう改善するのか、3年ではどうか、というゴールを設定してから計画を立ています。カウンセラーとの契約や、研修導入などカタチから始めてしまうと、必要のない部分に費用がかかったり、大切な事柄を見落としていたりします。メンタルヘルス対策は、まず、現状分析からはじめましょう。
Q. どこに依頼すればいいの? 自社でできないの?
A. 厚生労働省が発表した「労働者の心の健康の保持促進のための指針」に基づき、できるだけ自社で取り組むのが理想的です。ただし、4つのメンタルヘルスケア(「セルフケア」「ラインによるケア」「事業内産業保険スタッフによるケア」「事業外資源によるケア」)の中に事業外資源によるケアも含まれていますので、専門機関や専門事業者のノウハウもうまく活用すると効率的です。例えば、教育研修や情報提供、カウンセラーによるメンタルヘルス不調への対応、職場復帰の支援などは、事業場外の専門家をうまく使った方が効果的です。例えば、職場への不満が原因でメンタルヘルス不調になっている場合、社内の人に相談するのはためらわれます。「査定に響くかも」と思って相談に行かなければ症状は悪化してしまうことに。その点、社外のカウンセラーになら安心して相談ができるため、早期発見・予防につながります。また、教育研修や情報提供も、経験や知識の深い専門家にやってもらったほうが、効果も上がりますし、社内の人が学んで教えるよりコストも抑えられます。さらに職場復帰支援は、長期に渡るケアになりますので、こちらも社外カウンセラーなどに任せたほうがいいでしょう。
Q. EAPを導入すると費用はどれくらい? 効果は?
A. EAPの効果は、一般的には、遅刻・欠勤数、休職者数、離職者数、カウンセラーへの相談件数、ストレス疾患者数、保険給付額、クレーム率などで測ります。どの数値をどれくらい減らしたいのか、そうなることで生産効率(売上や利益)にどれくらい影響するのか、予め数値で出しておかなければ効果測定はできません。導入費用の計算も、自社で全て行った場合は関わった人の人件費が費用に当たりますし、外部に依頼する場合は産業医やEAP事業者への報酬が費用になります。どれをどこまで任せるかによって変わってきますので、まずは、どんな数値効果を出したいのか、それに予算はいくらかけられるのかを洗い出し、その予算内でできる方法を検討しましょう。